就職氷河期と求人

就職氷河期と求人

求人で意識するのは、就職氷河期という単語です。求人に関わる人にとって、今は就職氷河期に匹敵する時代だということは重要です。今までと異なり、ここ数年は転職活動も新卒者の就職活動も、希望どおりの職種に就職をすることが簡単ではありません。バブルがはじけた直後の就職難に匹敵するかのような求人倍率の中での就職活動をせざるをえない状況です。

中卒や高卒の就職先はなかなか見つからず、再就職も困難な状況です。国内でも非常事態と見なされるほどに正社員の職は少なく、パートタイマーやアルバイトでなければ働けないように状況が続いています。とはいえ、正社員を募集している企業は常にどこかしらに存在しています。

会社が常に有能な人的資源を求めているのは今も昔も変わりません。働き口を見いだす時は、自身の持つ能力と会社が求める能力との相性問題が密接に関わってきます。就職することでどのような環境を求めているのか、特に新卒者は求人を選ぶ時には自分の希望について考えてみてください。

転職先を求めている人も、それまでの技術を活かすばかりではなく、未知のジャンルに興味を持つことも大事なことでしょう。何が何でもこの職種につきたいという固い意思があるなら、実現に向けて勉強や修養に励むことも大事です。これまでと違う業種の求人に対応するため、新たな資格を取得したり専門学校に行くなどしてスキルを獲得するという人も少なくありません。

少ない求人や就職難の理由

有効求人倍率は横ばいで、就職難の時代はなかなか終わりそうにないですが、その理由は不景気以外にもあります。
原因の1つに雇用スタイルの変化があります。終身雇用制度の元で定年まで勤めるという勤務スタイルは、古いやり方になってしまっているようです。派遣社員として働く人が増えたことが、正社員減少に繋がっています。派遣社員を工場労働者として勤務させるようなスタイルは、以前は不可能でした。労働力の安い派遣社員の雇用機会に関する法律の制限がゆるくなったことで、派遣の求人が増えて正社員の求人が少なくなってしまったのです。

海外に工場を造り製造コストを減らす会社が増えたことも、求人の減少に関わっています。国内で作るより海外の割安な人件費で商品を作ろうとする会社が増加しており、国内の人材が必要なくなっているのです。

使いやすいコンピューターの登場や人間以上に正確でいつまでも仕事をしてくれる機械が開発されたことも、人手を不要にする理由であると考えられます。とはいえ、人口ピラミッドの中で最も多くを占めていた団塊の世代が次々と退職していく中、新たな求人が生まれているのは確かです。未知の分野を開拓することで需要を掘り起こそうとする会社も少なくなく、少数といえどこれまでとは違う求人も増えています。

ただし、求人を多く出している企業と、競争率が高い企業が一致しているとは限らないようです。求人欄を見る時は、就職に対する従来のものの考え方をリセットできるかも大事なことです。

求人の多い就職先

正社員の求人募集が少なく、就職活動はここ数年困難を極めているようです。就職活動は、少ないポストを奪い合うかのようなやり取りと化しています。一方で、慢性的に雇用が確保できていない分野もあり改善も重要な問題です。雇用と求人のアンバランスがからむ、複雑な社会現象となっています。

特に医療や福祉、介護の分野では常に人手不足です。実際の求人を見ても、さまざまなところで働き手を捜しています。すでに少子高齢化社会に向かいつつある日本では、介護福祉分野での人材確保は最も優先されることで、国を挙げての問題解決が急がれます。特にこれから就職を予定している新卒者に対しては、より積極的な就職の斡旋が必要になるでしょう。

学生たちの間で不人気の原因となっている、賃金の問題や勤務内容の改善を更に進めていけば、より安定した雇用と求人の確保ができる可能性があります。要資格での求人が多いことも、福祉や介護のなり手がなかなかいないことと関わっているといいます。一定期間の実務で資格試験の一部が免除されたり、働きながらの資格取得をフォローするなどの取り組みも大事です。

優遇されることで、新卒に限らず転職先としても雇用確保につながります。誤解や思いこみによって、就職活動の可能性を狭めていることもあるようです。就職活動で重要なことに、従来からのものの見方に左右されずに自分の判断で求人を見極めることがあります。