職業マップをご存知ですか
職業マップというツールが存在しています。どんな仕事が自分に向いているのかはっきりしたイメージを持っていないという方にとって、職業マップは指針になる存在です。文字通り、職業をマップに表したものなのですが、見たことがない方にはピンと来ないのではないでしょうか。
就職活動の前には自己分析をし、適職を見極める必要がありますが、世間に存在する職業は多すぎて、まず何があるかを把握できません。それぞれの職業の内容を大まかにでも全て理解し、その上で職業同士の繋がりや相似性などを認識できているという人はほとんどいないはずです。それは、認識していない職業の中で自分と相性がいい職業があったとしても、気づかず異なる職業を選んでいるかもしれないのです。
自分の好きなことや得意なことを生かせる職業に就いたはずなのに、働くうちに違和感を覚え働くのがつらくなってしまう。より自分に合う仕事が実際には存在していたのに、知らなかったためにそのことに気づけず、結果的に職業と希望とのミスマッチを招いてしまったということもあります。
職業マップを使って自分に合う仕事の見極めが早い段階で済んでいれば、景気が良くない今の日本でやっとのことで選んだ会社がミスマッチだったということが回避できます。職業マップに記されたそれぞれの職業同士の距離や位置づけをざっと見るだけでも、職業探しのヒントがたくさん転がっているのです。
職業マップとは、「情報(Data)」「人(People)」「物(Thing)」の3つをベースにしたアメリカの職業分類に基づいています。仕事をするということは、何らかの対象に働きかけを行うことです。
職業マップでは、それら働きかける対象によって大まかに職業は3つに分類されています。
職業マップで自分に適した仕事を見つける
職業マップは、自分に適した仕事を見つける際に大変役に立つものです。職業マップを皆がら将来の仕事を見極めることによって、自分の能力を生かせる職業には何があるのかを判断することができます。
職業マップで表示されている職業の区分けの仕方は、アメリカで職業を区別するために考えられたDPTに基づいています。アメリカの職業分類基準となっているDPTとは、どういった考え方のものでしょう。Dは情報、Pは人、Tは物を示しています。情報、人、物のどの要素に働きかける職業なのかという点が、職業マップ作成時の基本的な考え方です。
職業マップを作る上では、情報と物と人は互いに連携しあって成り立っているものとなります。憧れていた仕事だと思っていたものの、願いが叶って勤めてみたら現実は想像と大きく異なっていたという方もいるようです。DとPに更に2個、Tに4個の覗き窓を設けて、職業マップではそれぞれの職業名を書き入れ、カテゴリ分けをより一層見やすくしています。合計10の窓に膨大な職業を1つ1つ配置して、マップのどこにその職業があるかを明らかにします。
グループ同士も重なったり距離を詰めめことで互いの関係性を表しており、職業の距離感がわかりやすくなっています。1つの図に全て入れるという表現も不可能ではありませんが、図像化すると全ての情報をキャッチすることが逆に困難になるようです。
職業マップだとはっきりとした線引きがないため、職業のつながりが把握しやすくなります。
職業マップの使い方について
近年では、職業マップを使った授業を行っている小中学校もあるようです。子どもの頃から進路を見極めておいた方が有利になる職業も存在しますが、そうではなくても、小中学生時代から職業マップでどんな仕事が世の中にあるのか、知っておくことは大事です。
職業の多様性について小さい頃から知っておく授業は、子どもの将来への扉を大きく開き、職業選択をしやすい環境を作ることになるといえるでしょう。職業マップを学校授業で活用する時には、いくつかのバリエーションが存在します。職業マップを使って子どもたちが学ぶことは、職業は単独では成り立っておらず色々な職業が相互に関わり合っていること、それらの職業の種類は膨大な数に昇るということにあります。
大きくなったらプロの野球選手になりたいサッカー選手になりたいという子はたくさんいますが、夢が叶う子どもはわずかな数でしかありません。プロの選手になることが困難でも、職業マップでスポーツに関係する仕事がたくさんあることは見て取れます。自分の適性は選手なのかそれ以外のスポーツ関係の仕事なのかという視点も持てます。
時には、子供たちの想像力で、職業マップ上に新しい職業の可能性を見出すこともあるでしょう。職業マップとは固定されたものではなく、時の流れと共に徐々に変わっているものです。職業の種類や内容は時々刻々と変わっています。去年までは職業マップにあったけれど、今では過去のものとなった職業もあります。中にはなり手がいなかったために続かない職業も存在するようです。
職業マップとは、自分に合う職業を探したいという人のためにもなるだけでなく、人を雇い入れたり職業そのものにも利点になります。子どもの学習に使うだけが職業マップではなく、今から仕事を探そうとしている人や、転職活動中の人にとっても、職業探しの指針になってくれるのです。